当科の特色
消化器の悪性疾患を中心としつつ、緊急良性疾患に対応した診療を行っています。大阪府がん診療拠点病院に課せられた5大がんのうち、胃、大腸、肝臓に加え、胆のう・膵臓などのがんを診療対象としています。胃、大腸は内視鏡治療(消化器内科と協力)から、腹腔鏡手術、さらに抗がん剤治療も消化器外科が中心に診療を進めています。肝胆膵領域は胆石に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術から高難度の肝切除術、膵頭十二指腸切除術にも対応しています。
対象疾患
消化器(食道・胃・大腸・肝臓・胆嚢・膵臓など)の「がん」をはじめとする悪性腫瘍、鼠径ヘルニア、虫垂炎、胆嚢炎、総胆管結石、イレウス、外痔核、痔ろう、肛門周囲膿瘍など
手術 | 根治性を第一に考え、その上で腹腔鏡を用いた手術などできるだけ少な侵襲での手術を行っています。胃・大腸手術に対する治療はERAS(術後早期回復強化)プロトコール(治療計画)を取り入れ、当院独自のERASを開発し、患者さんの早期離床・退院を実現しております。また、2024年5月より直腸がん、結腸がんに対して内視鏡手術支援ロボットを使用した手術の運用を開始しました。 |
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抗がん剤治療 | 化学療法は主に外来化学療法室で行い、医師、薬剤師、がん総合診療センターからなるチームで関わり、安全および就労に対してもサポートできるように努めています。 |
専門外来 (要予約) |
肝・胆・膵外来:月曜日 午前 胃・食道外来:月曜日 午後 WOC外来:火曜日 午前・午後 ヘルニア外来:木曜日 午前 大腸・肛門外来:金曜日 午後 |
診療所や病院との連携
登録医をはじめとする診療所の先生方から依頼があれば、いつでも診療し、状態が安定すればまた紹介医にもどっていただくよう努めています。手術後は、地域連携パスを用いて診療所の先生と当院で協力し、患者さんを診療しています。
さらに、より高度な診療が必要な場合、消化器疾患については大阪大学大学院病態制御外科(消化器外科)と連携をはかっています。また、地元医師会との定期的な臨床検討会を開催しています。
~ERASプロトコールについて
ERASとはEnhanced Recovery After Surgeryの頭文字をとった略語で、術後患者が退院できない要因として「食べられない・動けない」に注目し、これを回避するための周術期管理を行うものです。
当院での流れをご提示します。
- 外来看護師によるプログラムの説明:術前術後の流れを外来特別予約(30分)で説明します。
- 入院までの日常生活の中で、体力づくりをお願いしています。そのための体力測定器を貸与いたします。
- 手術前日に入院し、病棟看護師や薬剤師から再度プログラムに沿って説明します。
- 手術当日 手術の3時間前まで栄養剤や水分を摂取していただき、脱水を防ぎます。
- 手術中は麻酔薬や他の薬品も体に負担の少ないものを優先して選択しています。
- 術後夕方からベッドを起こして飲水やガムを食べていただきます。
- 翌日から提供食を開始します。
- 術後腸管運動の回復の妨げになるような過剰な点滴を避け、術後の痛みを投薬でコントロールしながら早い段階で歩行を再開します。
- 退院までの一定期間、理学療法士によるリハビリ指導を行います。
長期入院は必ず筋力が落ちてしまい、退院後の回復力も低くなってしまいますので、手術後10日程度での退院を目標設定しています。ご高齢の患者さん、ほかの病気をお持ちの患者さんもおられますので、すべての患者さんに適用されるわけではありませんが、おひとりおひとりの状況に合わせてご提案いたします。
診療実績
手術実績
2021年 | 2022年 | 2023年 | |
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消化器外科手術症例数 | 561 | 648 | 612 |
胃がん | 17 | 16 | 19 |
大腸がん | 56 | 74 | 61 |
肝胆膵がん | 8 | 4 | 12 |
胆のう摘出術 | 112 | 130 | 122 |
虫垂炎 | 81 | 85 | 64 |
鼠径ヘルニア | 143 | 216 | 220 |
肛門手術 | 22 | 10 | 10 |
新入院患者数
2021年 | 2022年 | 2023年 | |
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新入院患者数(人) | 749 | 797 | 797 |
施設認定
- 日本外科学会外科専門医制度修練施設
- 日本消化器外科学会専門医修練施設
- 日本病態栄養学会認定栄養管理・NST実施施設
- 日本臨床栄養代謝学会・NST稼動施設
- 日本臨床栄養代謝学会・認定教育施設
- 日本大腸肛門病学会認定施設
- 日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会ストーマ認定施設