当科の特色
健康寿命延伸に向けた当院心臓リハビリテーションチームの取り組み
我が国の平均寿命は男女ともに世界トップレベルと言われています。しかしながら、平均寿命と健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間)の差(不健康な期間であり寝たきりや介護が必要な状態)は約10年とされており、この期間を短縮させることが我が国にとっての重要な課題であると考えます。厚生労働省は、健康寿命延伸に向けた取り組みとして、運動・食事・禁煙の3分野において具体的なアクションの呼びかけを行っています。
当院でも心血管病の患者さんの健康寿命延伸に向けた取り組みとして、心大血管疾患リハビリテーション(略称:心臓リハビリテーション)を運用しています。
心臓リハビリテーションとは、心血管病の患者さんが病気に対する正しい知識を得て、生活習慣を見直し、改善を図ることで再発予防と快適な日常生活を得るための医療プログラムのことです。
具体的には、医師、看護師、理学療法士、薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師、ソーシャルワーカー、事務職員等からなる心臓リハビリテーション専門チームがそれぞれの患者さんの医学的評価に基づき、運動療法や薬物療法、食事療法、禁煙等の指導および生活習慣の指導を行います。心臓リハビリテーションを実践することで、心機能低下によりもたらされた全身の機能低下を回復させるとともに、生活習慣を見直すことで、再発予防・社会復帰に向けての立て直しを図ることが可能となります。
“リハビリテーション”と聞くと、脳梗塞で失った機能の回復訓練などのイメージがあるかも知れませんが、心臓リハビリテーションはそうではありません。前述の医療プログラムを行うことにより、生活の質を改善し、心臓病の再発防止をはかり、再入院率や死亡率が減少することが学術的に証明されています。
当院心臓リハビリテーション室の運動療法では、患者さんにモニター心電図を装着した上で、血圧や心拍数、心電図を経時的に観察しながら行っています。有酸素運動のメニューとしては、主として自転車こぎ(エルゴメータ)、トレッドミルを用いた運動、椅子を用いた運動(チェアエクササイズ)、ステップエクササイズ(踏み台昇降)、ストレッチ運動等があります。また、心肺運動負荷試験を行い、運動耐容能を評価し、適切な運動処方を作成した上で、患者さんの心臓を含めた全身状態を十分に考慮し、準備運動、有酸素運動、整理運動の順で1時間の運動療法を個別のメニューで行っています。
2021年度は、運動療法はのべ2585件/年実施しました。心肺運動負荷試験は年間150件ほど実施してきましたが、2020年からは感染対策のため一時中断、現在は十分な感染対策の上、再開しています。専門のスタッフが心臓病の患者さんに安全で安心して運動療法を受けていただけるように細心の注意を払っています。
診療
運動療法
心臓病教室について ※新型コロナ感染症蔓延防止のため現在休止中
心臓リハビリテーションについて
心臓リハビリテーションチームのメンバー
心臓リハビリテーションを受けていただくにあたっては、当院の循環器内科医師の診察が必要となります。ご興味をお持ちの患者さんは、まず当院循環器内科医師にご相談ください。
運動療法のタイムスケジュール
月~金曜日(水・木曜日は14時半まで) 予約制
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午後 |
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心肺運動負荷試験
毎週水曜日、木曜日 予約制(検査前に当院での抗原定量検査 要)
午後 |
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心臓病教室 ※ 新型コロナ感染症蔓延防止のため現在休止中
心臓病教室は事前申し込み不要です
再開しましたらホームページにてお知らせいたします。