内視鏡手術支援ロボット(ダヴィンチXi)とは
内視鏡手術支援ロボット(ダヴィンチXi)とは、患者さんへの負担が少ない低侵襲手術(腹腔鏡手術)にロボット機能を組み合わせたものです。3つのユニットから構成されておりこれまで不可能とされていた角度からの視野の確保と鉗子の綿密な動きで、複雑な手術を可能にしました。
術者が操作する機械です。術者は座った姿勢で3Dカメラに映し出された映像を見ながら両手両足を使ってコントローラーを操作します。
患者さんの体に接続される機械です。4本のアームがついており3本のアームは術者が操作するロボット専用の鉗子です。残る1本のアームには精細な高画質の3Dカメラが接続されています。
ダヴィンチの中枢となる機械です。②ペイシェントカートから送られてくる画像から高画質3D画像を作成し①サージョンコンソールへ送ります。
手術ロボットと聞くと、ロボットに手術をされるのは怖いと考えられる方もいらっしゃるかもしれませんが、ロボットが手術を行うのではなくあくまでも医師の技術サポートを行う役割です。医師がより精度の高い手術を行うことを可能にしたのが内視鏡手術支援ロボット「ダヴィンチXi」とお考えください。
ダヴィンチのメリット
ダヴィンチ手術は特殊な鉗子をお腹に入れ、視野を拡大し3D立体映像を見ながら同じ手術室内にて遠隔操作で手術を行います。良好な視野のもと震えのない繊細な動きができる鉗子の操作が可能であるため、開腹手術と比べて以下のようなメリットがあります。
1 低侵襲
手術に必要な患者さんの皮膚を切開する傷口は0.5~1.5cmほどの小さな穴で5~7カ所程度です。切除部位を取り出すために、そのうち一カ所だけ4cm程度に広げることがあります。(ただし、術式により異なる場合があります。)小さな傷口で行われる手術なので、皮膚や筋肉を切開した痛みはほとんどありません。傷口が小さいため術後の回復が早い傾向にあります。開腹手術よりも入院期間が短縮されたり、身体への負担が少ない分術後の回復が早く早期の社会復帰が望めます。
2 精緻な動きが可能
人間の関節に比べロボットの関節は多く、可動域は非常に広いです。そのため今までアプローチ困難であった領域に入れるようになり、カメラや鉗子の手振れを防止して、より精緻な動きが可能となりました。病変部に的確にアプローチできるため、組織の損傷や合併症を抑えられます。
3 鮮明な3D画像
高画質3Dカメラが搭載されており、鮮明で立体的な映像で術野を確認しながら手術を行うことができます。
対象疾患
当院では、令和6年2月に泌尿器科で前立腺がんに対し「ダヴィンチXi」を利用した手術の運用を開始し、現在は下記の疾患に対応しています。今後も順次対象疾患を増やしていく予定です。
診療科 | 疾患名 |
---|---|
泌尿器科 | 前立腺がん |
腎がん(今後導入予定) | |
消化器外科 | 結腸がん |
直腸がん | |
婦人科 | 子宮筋腫 |
子宮腺筋症 | |
子宮内膜増殖症 | |
女性性器脱 | |
子宮頸部高度異形成(高度異形成) | |
子宮上皮内がん |
費用について
当院で実施する「ダヴィンチ手術」は健康保険が適用されます。そのため高額療養費制度が適用されます。従って自己負担額は通常の入院手術と大きく変わりありません。
具体的な費用につきましては、患者さんの年齢や加入されている健康保険・収入によって異なりますので、当院医事課へお問い合わせください。