初期臨床研修のご案内

初期臨床研修センター長:寺田 浩明

木内 利明

当院の初期研修にご興味をお持ちいただき、ありがとうございます。私自身は、向仲副センター長と共に二十数年間救命救急センターで働いた後、平成19年7月総合診療部の開設に合わせて異動し、同時に初期臨床研修における研修医教育に携わってまいりました。

医学教育には以前から興味を持っておりましたが、今更ながら研修医教育の重要性を再認識しております。卒業したての先生方に少しでも良い研修を受けてもらおうとすることは、病院内のさまざまな不具合を直していくことに繋がり、大切に人を育てる、共に学ぶという姿勢は、他の職種も巻き込んで病院全体の雰囲気を変えることでもあります。良い雰囲気の病院には向上心あふれる研修医が集まり、それがさらに良い雰囲気を作り出す好循環が生まれます。このことが、ひいては病院の基本理念である「心のこもった医療」を提供できることに繋がるものと確信しております。


学生時代は次から次へと目の前に現れる試験に合格すれば、どんどん次のステップに進み、卒業というゴールへ近づくことができます。しかし、社会人になったとたんにそのようなスタイルでは前に進めないことに気づかれるはずです。目の前の患者さんから与えられるさまざまな問題を、その都度自分の頭を悩ませながら全力で解く努力をすることの積み重ねが、ひいては臨床医としての実力をつけることに繋がるのです。テキストに記載されていることが、読んだ時点ですべて正しいとは限りません。既に知っているつもりのことでも、自分のとった判断が正しかったのかを常に自問自答して、同僚や上級医とdiscussionし、収集した最新の知見と照らし合わせて振り返ることによりはじめて意味のある財産として記憶にとどまります。そしてその財産を独り占めにせずみんなと共有し、より洗練されて広がりをもった価値あるものにすることが大切です。

また、勉強してたくさんの知識があっても、それを患者さんにわかりやすく伝え、納得していただかなければ良い結果は得られません。そのためにはcommunication skillを磨くことに腐心するより、あなた自身の人間力を培うことが重要です。適度なプレッシャーを受けながら、同僚と切磋琢磨し、仕事をする上で関わる他職種の人にも敬意を払い、自分が経験した苦労を少しでも減らせるように後輩を指導できるような医師になっていただければと思います。

医学生の皆さんへ