外科

ERASプロトコールについて

ERAS(イーラス)(術後回復強化)

ERAS(イーラス)とは、Enhanced Recovery After Surgeryの頭文字をとったもので術後回復強化という意味です。患者さんの術後の早期回復につながると医学的に有効性が証明された手法を、総合的に取り入れた計画的で包括的な管理方法です。欧米では広まりつつありますが、日本ではまだまだ普及が遅れています。

一般的な大腸の手術では、手術前から長時間の絶食を要し、手術後も数日間は点滴のみで絶食が続きます。

当院太田外科部長は英国でERASプロトコール(治療計画)を学び、帰国後、当院において独自のERASプロトコールを平成20年に開発しました。当院独自のERASプロトコールでは、手術前は周術期(手術前~術後数日)の説明から始まり、手術箇所による下剤の使い分けや液体栄養剤の摂取により絶食期間を短縮(絶食期間:1日)し、空腹感の緩和を行っています。

手術中は、麻酔薬や他の薬品にも体に負担の少ないものを優先して選択しています。術後は腸管の回復の妨げを除くために余計な点滴を避け、蠕動運動(腸の運動)が悪くなることを防ぐために、術後の痛みを取った上で早い段階で歩いていただき早期退院を目指します。
導入以降、麻酔科医や看護師、栄養士といったチームが連携して患者さんをトータルサポートし、術後の合併症を抑えつつ、以前よりも入院期間短縮を実現しております。

患者さんが早く日常生活を取り戻すための当院のこうした活動が(※1)、各方面で報道されており(※2)、わが国でも徐々にERASプロトコールが普及しつつあります。

(※1)ERASについての当院の活動・業績

  • 第66回日本消化器外科学会総会(口演)
    大腸がん手術の術後回復強化(ERAS)プロトコールの中での早期経口摂取の実践
  • 太田博文,藤江裕二郎,福永浩紀ほか;大腸がん手術症例に対する術後回復強化(Enhanced Recovery After Surgery:ERAS)プロトコールの安全性と有効性の検討.日本大腸肛門病会誌 64:214-223,2011
  • 太田博文,藤江裕二郎,清水香里ほか;大腸がんに対するERASを用いたクリティカルパスの実践から考える最適な退院時期.日本医療マネジメント学会雑誌 12(suppl.1):175-175,2011
  • 太田博文,前浦義市,遠藤和喜男ほか;術後回復強化(ERAS)プロトコールのクリティカルパスへの応用.日本医療マネジメント学会雑誌 11(suppl):326-326,2010
  • 太田博文,藤江裕二郎,福永浩紀ほか;術後回復強化(ERAS)プロトコールで大きく変わった大腸がん周術期管理.日本大腸肛門病学会雑誌 63巻9号595頁,2010
  • 太田博文,遠藤和喜男,藤江裕二郎ほか;当院における術後強化プログラムの中の周術期栄養管理.日本消化器外科学会雑誌 42巻7号1094頁,2009

(※2)メディアでの紹介

  • 平成24年10月19日(金)
    週間朝日 MOOK がんで「困った」ときに開く本2013
    「患者さんの早期回復を第一に取り組んでいます」 (PDF)
  • 平成24年9月1日(土)
    消化器外科NURSING
    FOCUS on 「ERASナースになってみませんか。」
  • 平成24年1月20日(金)
    エキスパートナース
    特集「術後のケアがこんなに変わる!」
  • 平成23年8月9日(火)
    山陽新聞(夕刊)
    「プロトコル法で入院短縮」
  • 平成23年7月20日(水)
    日経メディカル
    「大腸がんに対するERASプロトコールで早期経口摂取は安全遂行可能 」
  • 平成23年6月14日(火)
    共同通信
    「入院期間の短縮実現 術後回復強化プロトコル 欧米で拡大、日本へも」
  • 平成23年5月26日(木)
    医師のための専門情報サイト MT(Medical Tribune) Pro
    「ERASで変わる大腸がん周術期管理/術後回復強化を目指す取り組み」
  • 平成23年2月3日(木)
    医師のための専門情報サイト MT(Medical Tribune) Pro
    「ERASで周術期管理の向上を目指す」

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