呼吸器・免疫内科

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは

COPDは、慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)と呼ばれ、厚生労働省の発表では、平成18年の日本における死亡原因としてCOPDは10位となっています。また、COPDと診断されている患者さんは22.3万人ですが、実際には推定で500万人以上と報告されており、多くの患者さんが診断されておらず、十分な治療が受けられていないのが現状です。そして、COPD患者さんの90%以上に喫煙歴があるので、別名「タバコ肺」とも呼ばれています。

COPDは、タバコなどの有害な空気を吸い込むことによって、空気の通り道である気管支や、酸素の交換を行う肺胞などに障害が生じる病気です。せきやたんの症状が長い期間にわたり続く状態を「慢性気管支炎」、炎症が進んで肺胞が壊れてしまった状態を「肺気腫」と言い、この2つがともなって「COPD」になります。その結果、空気の出し入れがうまくいかなくなるので、通常の呼吸ができなくなり、息切れが起こります。長期間にわたる喫煙習慣が主な原因であることから、COPD は"肺の生活習慣病"といわれ、社会的にも注目を浴びています。

では、タバコを何本吸うとCOPDになるのでしょうか。実は肺の感受性(病気のなりやすさ)には個人差があるので、何本吸ったら必ずCOPDになるとは言い切れません。しかし、喫煙量が多いほどCOPDのリスクは高まります。タバコとCOPDの関連を示す目安として、次のような計算式があります。

1日に吸うタバコの箱数(1箱20本)×喫煙している年数。この数が1箱(20本)×20年=20の方では約20%が、3箱 (60本)以上×20年=60以上の方では約70%がCOPDという報告もあります。

COPDが進行すると呼吸器だけにとどまらず、全身に影響が出てきます。少し動いただけで息切れし、着替えや入浴などの日常生活が困難になります。また、肺がんや動脈硬化症、心・血管疾患、骨粗鬆症、うつ病なども発症しやすくなります。その上、せき、たん、息苦しさなどの症状が急激に現れる「COPDの増悪」が起きやすくなります。COPDの増悪を繰り返すとCOPDがさらに進行し、入院を余儀なくされたり、死に至ったりする場合もあり、COPDが重症化すると、仕事や生活を楽しむことができなくなってしまいます。

治療については、最近では研究が進み「予防可能」で「治療可能」な病気と位置づけられるようになりました。治療の第一歩はもちろん禁煙ですが、気道を拡げて呼吸機能を改善する薬物療法、呼吸筋や全身の機能の衰えを防ぐ運動療法などを組み合わせて継続することで、良好な身体状態を長期間保つことが可能になっています。その他にもCOPDが進行し、低酸素血症になった場合に導入する在宅酸素療法(HOT)や呼吸筋疲労の改善をするために非侵襲的陽圧換気療法(NIPPV)を行う場合があります。
当院の呼吸器・免疫内科では、さまざまな重症度や合併症をお持ちのCOPD患者さんに対する治療や禁煙指導、在宅酸素療法、非侵襲的陽圧換気療法の導入、合併症の治療等を他科の先生方や地域の開業医の先生方とも協力しながら積極的に行っております。

まずはご自身でCOPDのチェックをしてみましょう。

  • □ 40歳以上でタバコを吸っている。または吸っていた。
  • □ せき、たんがしつこく続くことがある。
  • □ 階段を上るときなどに息苦しいことがある。

ひとつでも当てはまるようでしたら、一度、ご相談ください。

参考文献 社団法人 日本呼吸器学会:COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療にためのガイドライン第3版


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