診療科のご案内
診療科のご案内CLINICAL DEPARTMENT

呼吸器内科

当科の特色

 当科は現在4名の常勤医師が在籍し呼吸器感染症・肺がん・慢性閉塞性肺疾患[COPD]・(特発性) 間質性肺炎・気管支喘息・気胸や胸膜疾患など多岐にわたる疾患の治療および睡眠時無呼吸症候群の検査(PSG)を実施しております。とくに肺悪性疾患に対する治療体制が充実しており、抗がん剤療法や分子標的薬の施行実績が年々増えております。また、大阪大学呼吸器外科学講座から週1回外来診療に来ていただき、連携を深めて集学的な治療ができる体制を整えています。当院では医師と呼吸器関連のコメディカルスタッフからなる呼吸器ケアサポートチームで活動しており、多職種間での連携を図り質の高い呼吸器ケアを提供することに努めております。

診療内容

肺がん

肺がんの診断と内科治療を行っています。治療方針の決定のため、病気の広がりの程度(ステージ1期~4期)をCT・MRI・FDG-PET・シンチグラフィーなどの各種画像診断によって行い、併せて組織型を知るために経気管支肺生検を行います。当科では抗がん剤による全身化学療法および分子標的薬による治療を行っていますが、近年国内外で行われたさまざまな臨床試験によって非小細胞がんでは組織型や肺がん組織の遺伝子変異などによって薬剤への治療反応性が異なることが示されており、治療薬剤選択のためのキーポイントになります。

また、外科治療や放射線治療が望ましい症例や、全身状態や並存疾患のために化学療法の適応が困難な症例は、当院呼吸器外科へのコンサルトや適切な施設への紹介も行っております。

肺がんの主な組織型

肺がんの主な組織型

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

COPDは、慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)と呼ばれ、厚生労働省の発表では、平成18年の日本における死亡原因としてCOPDは10位となっています。また、COPDと診断されている患者さんは22.3万人ですが、実際には推定で500万人以上と報告されており、多くの患者さんが診断されておらず、十分な治療が受けられていないのが現状です。そして、COPD患者さんの90%以上に喫煙歴があるので、別名「タバコ肺」とも呼ばれています。

長期間にわたる喫煙習慣が主な原因であることから、COPD は”肺の生活習慣病”といわれ、社会的にも注目を浴びています。治療については、最近では研究が進み「予防可能」で「治療可能」な病気と位置づけられるようになりました。治療の第一歩はもちろん禁煙ですが、気道を拡げて呼吸機能を改善する薬物療法、呼吸筋や全身の機能の衰えを防ぐ運動療法などを組み合わせて継続することで、良好な身体状態を長期間保つことが可能になっています。その他にもCOPDが進行し、低酸素血症になった場合に導入する在宅酸素療法(HOT)や呼吸筋疲労の改善をするために非侵襲的陽圧換気療法(NIPPV)を行う場合があります。

当院の呼吸器・免疫内科では、さまざまな重症度や合併症をお持ちのCOPD患者さんに対する治療や禁煙指導、在宅酸素療法、非侵襲的陽圧換気療法の導入、合併症の治療等を他科の先生方や地域の開業医の先生方とも協力しながら積極的に行っております。

まずはご自身でCOPDのチェックをしてみましょう。
  • 40歳以上でタバコを吸っている。または吸っていた。
  • せき、たんがしつこく続くことがある。
  • 階段を上るときなどに息苦しいことがある。

ひとつでも当てはまるようでしたら、一度、ご相談ください。

参考文献 一般社団法人 日本呼吸器学会:COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン2022〔第6版〕

呼吸器リハビリ

呼吸リハビリテーションとは、「呼吸器の病気によって生じた障害を持つ患者に対して、可能な限り機能を回復・維持させ、これにより患者自身が自立できることを継続的に支援していくための医療である」と定義されており、整形外科術後や脳卒中の後遺症などのリハビリテーションと同様に、肺機能に障害を持った方にも適切なリハビリテーションが必要であり、

  • 階段昇降時の息切れ、歩行や入浴、日常生活におけるちょっとした動作の中での息切れ
  • 長く続く咳や痰、粘っこくきれが悪い、出しにくい
  • 風邪にかかりやすく、入退院を繰り返す
  • 咳や息苦しさのために夜眠れない
  • 酸素吸入のために外出や趣味、散歩を制限してしまっている

以上のような症状を緩和し、日常生活を少しでも快適に送ってもらうことを目的としています。
呼吸リハビリテーションを受けられる患者さんは、肺気腫などの慢性閉塞性肺疾患(COPD)を中心として、間質性肺炎、肺結核後遺症など様々です。またICUでの人工呼吸器や様々な機器につながれ、ベッド上に同じ姿勢で長期臥床を強いられている患者さんに対しても、呼吸器合併症の予防や人工呼吸器からの離脱援助、早期離床に向けたリハビリテーションも行なっています。

診療実績

疾患別入院患者数

2020年度 2021年度 2022年度
呼吸器系疾患 301 189 304
肺がん 80 61 75
肺炎等 55 39 76
間質性肺炎 41 25 35
誤嚥性肺炎 40 11 20
膿胸・肺膿瘍 8 8 26
気管支喘息 2 4 12
COPD 21 9 3
気胸 17 14 25
非結核性抗酸菌症 1 3 2
(その他) 36 15 30
その他感染症(COVID-19含む) 129 160 54

施設認定

  • 日本臨床腫瘍学会認定研修施設

スタッフ紹介

山根 宏之
主任部長

専門分野
呼吸器内科
所属学会
日本内科学会
日本呼吸器学会
日本呼吸器内視鏡学会
日本がん治療認定医機構
日本緩和医療学会
日本肺癌学会
認定
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医・指導医
日本呼吸器内視鏡学会認定専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本医師会認定産業医
身体障害者福祉法指定医
大阪府難病指定医
緩和ケア研修会修了

古川 貢
部長

専門分野
呼吸器内科
所属学会
日本内科学会
日本呼吸器学会
日本臨床腫瘍学会
日本癌学会
認定
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
日本呼吸器学会認定専門医・指導医
日本臨床腫瘍学会認定専門医
身体障害者福祉法指定医
大阪府難病指定医
緩和ケア研修会修了

多河 広史
副部長

専門分野
呼吸器内科
所属学会
日本内科学会
日本呼吸器学会
認定
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
日本呼吸器学会認定専門医
緩和ケア研修会修了

森本 彬人
医長

専門分野
呼吸器内科
所属学会
日本内科学会
日本呼吸器学会
日本呼吸器内視鏡学会
日本肺癌学会
認定
日本内科学会認定内科医
緩和ケア研修会修了

岡本 祐希子
専攻医

専門分野
呼吸器内科
所属学会
日本呼吸器学会
認定
緩和ケア研修会修了
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