消化器内科

粘膜下層切開剥離術

内視鏡診断学の進歩により、消化管における早期がんの発見率が大きく向上しています。それに従って、早期消化管がんに対する治療は、高齢化社会の進展とともに、内視鏡による治療の比重が高まってきています。 1980年代より内視鏡的粘膜切除術(EMR)が始まり, その手技, 機械は著しく進歩してきました。最近、新しい消化管がんの内視鏡治療としてESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)が導入され、急速に普及しています。ESDは病変の周囲の粘膜を切開した後,粘膜下層を剥離し病変を切除する方法で病変を一括切除出来る確実な内視鏡治療です。従来では、直径数cmまでの病変が一括切除の限界と考えられておりましたが、この方法は理論的には10cmを越える病変の一括切除も可能にしており、再発率を高度に抑制できるなど、増加する早期消化管がん症例に対応する優れた治療法として位置づけられています。当科では早期胃がん (胃腺腫も含む)の患者さまに対してESDを施行しています。

  • 治療に関しては、切除の難しさや病変がある部位によってさまざまですが、1週間程度の入院が必要となります。
  • 治療時間は約1~2時間で終わりますが、病変によってはさらに時間がかかることがあります。
  • 切除は鎮静剤や鎮痛剤を使いながら行うので、苦痛を感じることはまずありませんが、万一、苦痛が強い場合にはそれらの追加を行って対処します。
  • 通常、切除した日に食事はできませんが、切除した部分からの出血や穿孔 (胃に穴が開くこと)がないことが確認できれば、翌々日から食事ができるようになります。
  • 切除した病変を詳しく調べてがんが予想以上に進行していた場合は、最終診断が確定してから追加で外科手術を行う場合があります。
  • 切除に伴う危険性ESDは胃粘膜を切除する内視鏡治療なので, わずかではありますが,偶発症が発生する危険があります。
    1. 出血:術中の出血は必発ですが,止血鉗子を用い血管を鉗子で把持し凝固波で止血処置を行います。また出血していなくても観察中血管を認めた場合,このまま切除すると出血して視野が悪くなるため, 同様に凝固波で止血処置します。出血性素因をお持ちの方(血友病, 肝硬変, etc), 血液をさらさらにする薬(血小板凝集抑制剤, 抗凝固剤; パナルジン, アスピリン, バッファリン, ワーファリン, ペルサンチン等) を服用している方はあらかじめ主治医にお申し出ください。
    2. 穿孔
        胃潰瘍の既往により胃の線維化を起こしている部位を剥離した際, 穿孔(胃壁に小さな穴が生じること)が起こることがあります。穿孔が起こると胃の内容物が腹腔内に漏れて, 腹膜炎を生じます。通常は絶食と抗生物質の投与で約1週間で改善しますが, 強い腹膜炎の場合は直ちに開腹し穴を閉鎖する必要があります。
      当科では特にこの内視鏡治療に力を入れており、優れた技術を持った実績のある医師による治療をうけることができます。但し、病気の程度によってさまざまな判断がなされるため、担当医とよく相談してください。
      当院では、患者さまにやさしく、正しい医療を提供できるよう、万全の体制で環境を整えています。

ESD


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