消化器内科

小腸内視鏡

小腸内視鏡検査(ダブルバルーン内視鏡検査)について

小腸は食道や胃、大腸などの消化管の中でも、栄養の吸収を一手に引き受けている一番重要な臓器ですが、口からも肛門からも遠く内視鏡検査がほとんどできなかったため『暗黒の臓器』と言われていました。この状況を変えたのが、平成13年に自治医科大学の山本博徳先生が考案し、平成16年からフジノン東芝社から発売されたダブルバルーン内視鏡です。
この内視鏡の登場により全小腸の詳細な観察が可能となり、小腸の腫瘍や炎症、血管性病変など、胃や大腸とは異なった疾患を早期発見・治療することができるようになりました。日本全国でも、まだ約150施設程度しかない導入されていない内視鏡検査ですが、当院では平成18年度から導入しております。

ダブルバルーン内視鏡の原理

従来のプッシュ式の小腸鏡では、内視鏡が小腸内に50cmから1mはいったところで、先に進まなくなります。理由は小腸が伸びるためです。「筒に風船状のバルーンをつけてバルーンで腸管をおさえて、その中をとおして内視鏡をすすめればよいのでは」と開発されたのがダブルバルーン内視鏡です。内視鏡をオーバーチューブと呼ばれる筒の内側に通して二重構造にし,内視鏡と筒を尺取り虫のように交互に進ませる方法です。内視鏡と筒の先端にはそれぞれバルーンを付け、空気を入れて膨らませると腸管の内壁に密着して腸が固定できるようになっています。また先端を腸管に固定して内視鏡と筒を手前に引くと、内視鏡が入っている部分の小腸は縮み、先の部分はまっすぐになるので内視鏡を進めやすくなります。これを繰り返すことで、わずか長さ約2mの内視鏡で全長約6~7mの小腸全体を見る事ができます。

ダブルバルーン内視鏡の原理

ダブルバルーン内視鏡検査は次のような症状・病気の方々にお勧めしています。

  1. 消化管出血が疑われるものの上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)と大腸内視鏡検査を受けても異常がなく、小腸の出血性病変が疑われる場合
  2. 小腸に病変をつくる病気(小腸腫瘍、腸結核、クローン病など)の精密検査
  3. 小腸の通過障害(腸閉塞、小腸狭窄)が疑われる場合
  4. 通常の内視鏡検査が困難な場合(手術後の消化管の変形、消化管の癒着があり通常の内視鏡検査が困難と言われた事のある方)

検査の実際

鎮静剤と鎮痛薬を併用する事で、比較的楽に検査ができます。検査中は適時レントゲン装置でスコープの状態を確認しながら行いますが、ダブルバルーン内視鏡検査特有の合併症として経口的挿入の際に胃液が逆流して気管に入ったために生じる誤嚥性肺炎や、十二指腸にある膵液の出口付近を擦るために生じると言われている膵炎が報告されています。
 当院では安全性を考慮し、入院患者さんをのみを検査対象とし外来検査には対応しておりません。またダブルバルーン内視鏡は口からでも、肛門からでも挿入できますが、全小腸を検査する場合は2回に分けて検査します。経口的挿入と経肛門的挿入のどちらを先に行うかは、病変が小腸の入り口に近いか出口に近いかを考慮して検査を行うようにしています。検査時間は約90分程度です

ダブルバルーン内視鏡検査の利点

最大の利点は、内視鏡治療が可能であるという点です。病変部の詳細な観察のみならず、通常内視鏡で行っている内視鏡治療(病変部からの組織採取、内視鏡的止血術、内視鏡的拡張術、超音波内視鏡検査)が可能であり、治療内視鏡としても優れた装置と言えます。


  • かかりつけ医検索システム
  • 地域医療支援病院
  • 大阪府がん診療拠点病院
  • 病院情報の公表
  • ドクター紹介
  • 済生会千里病院公式facebook