消化器内科

C型慢性肝炎に対する新しい治療について

C型慢性肝炎について

日本人の死因のトップは悪性腫瘍であり、肝癌はその中の主要な癌の一つです。そして肝癌の約7割はC型肝炎ウイルス(以下、HCV)が原因です。HCV感染者数は日本で150-200万人と推定されています。HCVに感染すると何十年という時間をかけてC型慢性肝炎、肝硬変を経て、肝癌が発生してくるといわれています。

インターフェロン注射による治療

HCVを体内から排除できる可能性のある治療法は今まではインターフェロンという注射薬を含む治療でした。ただ、感染しているHCVの型と血液中でのウイルスの量により、治療効果には大きな差があることがわかっています。日本に一番多いパターンはウイルスの型がIb型でしかもウイルス量が多い、という方ですが、実はこのパターンが難治性です。これらの方ではインターフェロン単独ではHCVを排除できる割合は数%だけです。しかし、インターフェロンの製剤上の工夫や他の抗ウイルス薬の併用も行われるようになり、最新の治療ではインターフェロンを含む3種類の抗ウイルス薬の併用により90%の方でウイルスを排除できるようになりました。

インターフェロン注射を使わない、飲み薬の治療が可能になりました。

ただ、インターフェロンは比較的副作用が強いお薬です。高齢の方、肝硬変まで進んでいる、などの方は副作用のためにインターフェロンを使えない場合がありました。2014年9月3日より、そのようなインターフェロンを使えないIb型の方に対して、飲み薬の抗ウイルス薬だけで治療できることになりました。具体的にはダクラタスビルという薬とアスナプレビルという薬を24週間内服するだけです。この治療でも80数%の方でウイルスを排除できます。

2015年8月にはさらに、商品名ハーボニーという薬が使用可能になりました。これはソホスブビルとレジパスビルという2種類の薬の配合錠で、1日に1錠、12週間の服用です。これで90%台後半の治癒率が得られるという画期的な薬です。副作用も重いものは少ないようです。これは28日分の入った瓶で処方されます。

さらに新しい薬も出ました。オムビタスビル+パリタプレビル+リトナビルの3種類の配合錠の商品名ヴィキラックスが2015年11月から使えるようになりました。1回2錠をやはり12週間の投与です。これは事前にウイルスの耐性変異のチェックをしてから投与することが必要ですが、やはり90%台後半の治癒率が得られ、副作用も重いものは少ないようです。

3種類の新薬が出ましたが、今のところはハーボニーとヴィキラックスが投与期間、有効率でほぼ同程度に優れていると考えられます。日本肝臓学会の作成したC型肝炎治療のガイドラインでもこの2種の薬が推奨されています。
あとは各患者さんの腎機能や、他に投与されている薬との組み合わせによってはこれらの薬が使いにくい場合がでてきます。それらを総合的に判断してこの2種類の薬の使い分けを考えることになります。

ハーボニー

ヴィキラックス


II型のC型肝炎ウイルスにも飲み薬の治療が可能になりました。

日本人のHCVの型はIb型とII型がほとんどです。HCVのIb型に対する飲み薬が使えるようになり、次にはII型のHCVに使える飲み薬の登場が待たれていました。ついに、2015年5月からはII型のHCV治療に使える飲み薬も発売されました。ソホスブビルとリバビリンというお薬の併用療法で、12週間の投与でやはり90%以上の方でウイルスが排除できます。当院でも使用できるようになりました。ソホスブビルは28錠入りの瓶の形で商品名ソバルディという名前で発売されます。リバビリンは販売会社の違いでレベトールという商品名のものとコぺガスという商品名のものがありますが、中身は基本的に同じものです。

(ソホスブビル)ソバルディ

(リバビリン)レベトールとコぺガス



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