歯科・口腔外科

当科における顎顔面骨折治療

当科における顎顔面骨折治療

  • 当科における顎顔面骨折(歯槽骨単独骨折は除外)の一次手術件数は年30例程度である。
  • その約3/4は当院千里救命救急センターを経由した症例である。顎顔面以外の領域を含む多発外傷症例では、救命センターや整形外科との合同手術を要することもある。

  • 顎顔面骨折患者は主として、当院救命センターでの初期治療後、歯科口腔外科へ紹介される(初期治療の段階から協同治療することもある)。
  • 救命センターを経由しない症例でも、救急診療が必要な場合がある。右に挙げた症例は、頬部打撲で当科を紹介されて頭部顔面CT撮影を行なったところ、頬骨骨折のみならず、頭蓋内血腫も判明したものである。

  • 当科での顎顔面骨折手術症例のうち、最も多いのが頬骨骨折(頬骨上顎骨複合体骨折)である。
  • 骨片変位による形態変化や機能障害(開口障害、眼症状、眼窩下部皮膚知覚異常)の程度をベースに、患者の全身状態や意思を勘案して、手術適応を検討している。

  • 中央手術室に配備している透視撮影装置を示す。
  • 外傷関連では、整形外科領域の骨折手術で、骨片の整復・固定状態の術中評価目的に頻用されている。当科では、頬骨骨折手術で主に使用している。

  • 手術では、2箇所(眉毛外側、下眼瞼)よりアプローチして変位骨片の整復・プレート固定を行う。必要に応じて口腔内切開によるアプローチも加えている。
  • 症例によっては、変位頬骨弓の連続性回復、頬骨体部突出度改善について、術中透視撮影でリアルタイムに評価している。

  • 当科で行った頬骨骨折(頬骨上顎骨複合体骨折)手術における術中透視下整復手技については、アメリカ外傷外科学会の関連学術誌であるJ Trauma (現:J Trauma Acute Care Surg)に報告している。
  • 赤線は当院現職スタッフ(歯科口腔外科および救命救急センター)を示す。

下顎骨骨折

  • 下顎骨骨折の手術は、当科においては、頬骨骨折(頬骨上顎骨複合体骨折)の次に多い。
  • 骨折線数は1~2本であることが多い。しかし、提示例のように骨折部位数や骨折線数が多くなれば、治療の難易度が高まり、手術後の骨折片壊死や感染のリスクが高まり、治療期間も長期化する。なおこの症例では、上記のような続発症は生じなかった。

  • 下顎前歯部は粉砕骨折を呈しており、口腔外アプローチによる整復固定手術を行った。
  • 関節突起については、高位骨折であるため、手術適応外として保存療法を行った。開口障害が遷延しやすい症例である。

  • 下顎前歯部と左関節突起骨折の2線骨折である。

  • 前歯部骨折により歯列の連続性は絶たれている。
  • 金属(主線とワイヤー)と輪ゴムで顎間固定を行う。非観血的な整復固定である。
  • 顎間固定を行なったとしても、早期の開口訓練を開始するため、手術による前歯部のプレート固定を行うべきである。

  • 顎間固定は術後解除するが、咬合の安定を求めてゴム牽引を短期間行うこともある。

複合骨折

  • 顔面骨の複合骨折では、治療は長期化しやすい。
  • 頭蓋内損傷・出血を併発している場合は救命センターの周術期管理のもと、骨折手術を行っている。
  • 提示例では頬骨骨体が粉砕骨折を呈している。
  • 顔面の知覚神経(右眼窩下神経および右オトガイ神経)が骨折片により損傷したため、知覚異常(しびれ感、違和感、ピリピリ感など)をきたした。症状は改善するものの後遺することが多い。

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